専門家が語るリフォームと全館空調の相性
リフォームの専門家として長年多くのお客様の住まいづくりに携わってきましたが、近年、特に注目度が高まっているのが全館空調システムの導入です。新築時に採用されることが多いイメージですが、実はリフォームこそ、その真価を発揮する場面が少なくありません。既存住宅の多くは、部屋ごとに断熱性能が異なっていたり、冬場の廊下や水回りが極端に寒かったりと、家の中に大きな温度のムラを抱えています。こうした問題を個別のエアコンで解決しようとすると、設置場所が限られたり、光熱費がかさんだりするばかりか、根本的な解決には至りません。ここで全館空調をリフォームに組み込むことで、家全体の温熱環境を根本から見直すことが可能になります。私たちはリフォームの計画段階で、まず建物の断熱性能を徹底的に調査します。そして、どこを補強すれば最も効率的に家全体の性能を高められるかを見極め、断熱改修とセットで全館空調システムの導入を提案します。天井裏や床下などを利用してダクトを配管する工事は、間取り変更や内装の刷新といった大規模リフォームと同時に行うことで、効率的かつ美しく仕上げることができます。お客様からは、導入後、家の中のどこにいても同じ快適さで過ごせるようになった、冬の朝起きるのが辛くなくなった、といった喜びの声を数多くいただきます。また、熱交換換気システムを併用することで、窓を開けなくても常に新鮮な空気が循環し、室内の空気質が向上することも大きなメリットです。リフォームは、単に古くなったものを新しくするだけではありません。これからの人生をより豊かに、健康的に過ごすための住環境を創造する機会です。そのための最適なソリューションの一つとして、全館空調は極めて高いポテンシャルを持っていると、私たちは考えています。