築三十五年の古いマンションを購入し、自分たちの理想を詰め込んだ住まいを作るためにスケルトンリフォームを選択しました。当初は表面的な内装の変更だけで済ませることも考えましたが、実際に内覧した際に感じた古びた配管への不安や、細かく仕切られた使い勝手の悪い間取りを解消するためには、一度すべてをリセットするしかないと決断したのです。リフォームの打ち合わせが始まると、最初に見せられた見積もり金額に言葉を失いました。解体費用だけで百万円を超え、新しい間取りを一から作るための大工仕事や電気、水道工事を合わせると、当初想定していた予算を一気に五百万円も上回っていたからです。しかし、設計担当者と一緒に一つ一つの項目を精査していくうちに、なぜそれだけの費用がかかるのか、そしてどこを削れば納得できる仕上がりになるのかが見えてきました。例えば、私たちはリビングの開放感には徹底的にこだわり、壁をなくして広い空間を作りましたが、その一方で各部屋の建具はシンプルな既製品を選び、造作家具の数を減らすことでコストを調整しました。工事が始まり、壁や床がすべて剥がされてコンクリート剥き出しの箱になった現場を見たときは、本当にここが家に戻るのかと不安になりましたが、床下に整然と並べられた新しい配管を見て、このリフォームの本質は目に見えない場所の再生にあるのだと確信しました。完成して入居した今、以前の面影が全くないほどに生まれ変わった我が家は、まさに私たちのライフスタイルに完璧にフィットしています。断熱性能も向上させたおかげで、以前の住まいよりも格段に暖かく、冬場の結露の悩みも解消されました。最終的な費用は一千二百万円ほどかかりましたが、新築マンションを購入するよりも遥かに低い総額で、立地も間取りも自分たちの好みにぴったりな空間を手に入れることができました。スケルトンリフォームは、完成までのプロセスにおいて多額の費用と決断の連続が必要ですが、その苦労を補って余りあるほどの満足感と、長く住み続けられる安心感を与えてくれる最高の選択だったと実感しています。
中古マンションをスケルトンリフォームした私の家作り体験記