私が中古マンションを購入して住み始める際、真っ先に直面したのがリフォームにするかリノベーションにするかという選択でした。物件自体は築二十五年で、設備や内装にはそれなりの傷みが見られましたが、立地条件が非常に良く、窓からの眺望も素晴らしかったため購入を決めました。当初は、キッチンや浴室を入れ替えて壁紙を白く塗り直すだけのリフォームで済ませようと考えていました。しかし、実際に空っぽの部屋に立ってみると、自分の生活スタイルには合わない細かく区切られた部屋割りに違和感を覚えたのです。私は思い切って、専有部分を一度骨組みだけの状態にするスケルトンリノベーションを選択しました。これは単なる古くなった箇所の修繕ではなく、自分の暮らしに合わせて空間を一から設計し直す作業でした。例えば、日当たりの良い南側の部屋を寝室にするのではなく、家族が最も長く過ごすリビングを広げて配置しました。また、収納スペースを一箇所に集約したウォークインクローゼットを設けることで、他の部屋を常にすっきりと保てるように工夫しました。この経験を通じて感じたのは、リフォームとリノベーションの最大の違いは、住まいに自分を合わせるのではなく、自分に住まいを合わせるという視点があるかどうかだということです。工事期間中は仮住まいの手配や度重なる打ち合わせで大変な面もありましたが、完成した家に足を踏み入れた瞬間の感動は今でも忘れられません。以前の面影が全くないほどに生まれ変わった空間は、まさに私の理想そのものでした。壁の素材一つから照明のスイッチの位置まで、自分たちで決めた細部の一つひとつが日々の生活に彩りを与えてくれます。もし、あのまま表面的なリフォームだけで済ませていたら、これほどの充足感を得ることはできなかったでしょう。古い建物の良さを活かしつつ、最新の設備と自分たちの感性を融合させることができるリノベーションは、中古住宅という選択肢を最高に贅沢なものに変えてくれる魔法のような手段だと実感しています。
中古住宅を購入して自分好みの空間に作り替えた記録